Research
当研究室では、植物病原体と宿主植物の相互作用を分子・生態レベルで解明し、持続可能な農業と新しい科学領域の開拓を目指しています。
1. 糸状菌(Fungi)
植物・糸状菌相互作用の解明と持続可能な防除戦略の構築
糸状菌(カビ)による病害は植物病害の約8割を占め、世界の食料生産に甚大な被害を与えています。特に近年の化学農薬に対する耐性菌の出現・拡大は、防除を困難にする深刻な課題です。糸状菌の感染戦略や薬剤耐性獲得の分子メカニズムを、分子・生態学的な両面から解析します。これにより、環境負荷を低減しつつ長期間効果を維持できる次世代の防除体系の構築を目指します。
2. 細菌・ファイトプラズマ(Bacteria & Phytoplasma)
エフェクターによる宿主操作メカニズムの解明
ファイトプラズマなどの植物病原細菌は、宿主の発生プロセスを劇的に攪乱し、植物の免疫応答を抑制したり、植物の形態異常を引き起こします。その一端を担うのは、これら細菌が分泌するエフェクターと呼ばれるタンパク質群です。病原体エフェクターが植物の遺伝子ネットワークを撹乱する仕組みを解明し、感染を根本から制御する技術の礎を築きます。モデル植物(シロイヌナズナ・タバコ等)を活用した基礎研究により感染プロセスの解析を進め、安定生産の実現に貢献します。